こんにちは。船橋市大穴「こうの歯科」、3人の男の子を育児中のママ歯科衛生士Kです。

【こうの歯科ジャーナル 】では、現場の歯科衛生士が患者さんとの診療や対話で得た「お口に関するいろんな知見」をお届けしています。

健康に暮らすための毎日のヒントやコツなど、2分程度でさっと読める情報になっています。ご興味のある記事を、ぜひ気軽に覗いてみてください。

前回の「お口スキンシップ」に続き、今回は赤ちゃんの「噛み噛み」についてお話しします。
生後3ヶ月を過ぎたころから、赤ちゃんは自分の拳やタオル、おもちゃなど、とにかく何でもお口に持っていきますよね。

「何でも食べちゃう！」「汚いからやめさせたい…」とハラハラするかもしれませんが、ちょっと待ってください。
実はその行動、赤ちゃんの成長にとってとても意味のある大切な“お仕事”なんです。

今回は、赤ちゃんが何でも口に入れる理由と、その「噛み噛み」が未来のきれいな歯並びや上手な食事にどう繋がっていくのかを解説します。

「カミカミ」は未来への準備運動！その大切な意味とは？

赤ちゃんが夢中になる「噛み噛み」。これには、お口や体の発達に欠かせない、たくさんの意味が詰まっています。

目で見て「これは何だろう？」と認識し、手で掴んで、口へ運んで感触を確かめる。この一連の動作こそ、赤ちゃんの脳と体が連携する力を育てています。

そして何より重要なのが、お口周りの筋肉を育てる「筋力トレーニング」になっていることです。

この時期に育てたお口の力は、これから先の成長に大きく関わってきます。例えば、唇を閉じる筋肉「口輪筋（こうりんきん）」が弱いと、お口がポカンと開いて口呼吸の原因になったり、将来の歯並びに影響が出たりすることも。

さらに、このトレーニングは、もうすぐ始まる離乳食で大活躍します。スプーンがお口に運ばれた時にしっかり唇で捉え、食べ物を取り込み、お口を閉じてモグモグする――。この当たり前のように見える一連の流れすべてが、今の「噛み噛み」で育んだ筋肉によって支えられているのです。

将来のために今できること。上手な「噛み噛み」サポート術

では、赤ちゃんの「噛み噛みしたい！」という意欲を、どうサポートしてあげれば良いのでしょうか。一番のおすすめは、安全なおもちゃ、特に「歯固め」を与えて、たくさん噛み噛みさせてあげることです。

歯固めの選び方 3つのポイント

安全性： 赤ちゃんが喉まで入れてしまわない形状で、舐めても安全な素材（シリコン製など）を選びましょう。
形状： 小さな手でも握りやすく、様々な凹凸があって唇や歯茎を刺激できるものがおすすめです。
清潔さ：熱湯消毒や薬液消毒など、お手入れがしやすいものを選びましょう。

仕上げ磨きが楽になる“秘密兵器

さらに、将来の仕上げ磨きをスムーズにするためのアイテムもあります。それは、ブラシの形状をした歯固めや、リング状の歯ブラシです。

歯が生えてきてからいきなり歯ブラシを口に入れると、その“異物感”に驚いて嫌がってしまう子がたくさんいます。この時期からブラシの感触に慣れておくことで、「口に何か入ってくるのは当たり前」と赤ちゃんが学習し、仕上げ磨きへの抵抗感をぐっと減らすことができるのです。

赤ちゃんの「今」を応援してあげましょう

赤ちゃんが何でも口に入れる行動は、自分の力で成長しようとしている大切な証です。

「また口に入れてる！」と心配になるかもしれませんが、それは赤ちゃんが一生懸命、未来のために食べる準備や話す準備をしているサイン。安全をしっかり見守りながら、その素晴らしい成長を応援してあげてくださいね。

「どんな歯固めがいいの？」「うちの子のこの癖は大丈夫？」など、小さな疑問や不安があれば、いつでも当院にご相談ください。赤ちゃんの健やかなお口の発達をサポートする「口育士（こういくし）」がお待ちしています。

また、妊娠中のお母さんのためのマタニティ歯科診療や、船橋市の妊婦歯科健康診査にも対応しておりますので、プレママ期からのご相談も大歓迎です。

子育て中のスタッフが、ママ・パパ目線で親身になってお話を伺います。

次回は、見落としがちな『抱っこやおんぶの姿勢』と、お口の発達の驚きの関係についてお話しします。お楽しみに！

※この内容はこれまでの現場経験による当院の見解です。確かな効果を保証するものではありません。
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