
こんにちは。船橋市大穴「こうの歯科」、3人の男の子を育児中のママ歯科衛生士Kです。
【こうの歯科ジャーナル 】では、現場の歯科衛生士が患者さんとの診療や対話で得た「お口に関するいろんな知見」をお届けしています。
健康に暮らすための毎日のヒントやコツなど、2分程度でさっと読める情報になっています。ご興味のある記事を、ぜひ気軽に覗いてみてください。
今回は、歯科の視点から見るとても大切な「抱っこ・おんぶの姿勢」、特に赤ちゃんの“顎の角度”が、将来のお口の健康を大きく左右するというお話をします。
赤ちゃんの体重もだんだん増えてきて、毎日の抱っこやおんぶが嬉しい反面、体にこたえる時期かもしれませんね。赤ちゃんとの大切なふれあいである、この抱っこやおんぶ。実はこの何気ない毎日の習慣が、赤ちゃんのきれいな歯並びや、キュッと引き締まったお顔つきの土台を作っているとしたら、驚きませんか?

この記事を書いた人
こうの歯科|チーフ歯科衛生士・口育士・ホワイトニングコーディネーター
3人の男の子 育児奮闘中のママ歯科衛生士。忙しい毎日でも続けやすい予防ケアを大切にしながら、患者さんと二人三脚でお口の健康維持をサポートしています。
なぜ「抱っこの姿勢」がお口の健康に関係するの?

スヤスヤ眠る赤ちゃんの寝顔、本当にかわいいですよね。その時、お口がポカンと開いていることはありませんか?実はそれ、抱っこやおんぶの姿勢が関係しているかもしれません。
注意したいのは、赤ちゃんの頭が後ろにカクンと倒れ、顎が上がった状態になってしまうことです。
顎が上がると、空気の通り道(気道)が圧迫されて狭くなります。すると、鼻で息をするのが苦しくなるため、赤ちゃんは楽に呼吸しようとして自然と口を開けてしまうのです。
この「顎が上がった姿勢」が日常的に続くと、口で呼吸することが癖になり、「お口ポカン」が定着してしまいます。お口ポカンによる口呼吸は、虫歯や歯並びの乱れ、ウイルス感染のリスクなど、様々なトラブルの原因になる可能性があるのです。
今日からできる!お口を育てる抱っこ・おんぶのコツ

では、具体的にどのような姿勢を心がければ良いのでしょうか。
目指すのは、赤ちゃんの背中がゆるやかに丸い「Cカーブ」を描き、顎が自然に引けている状態です。口がポカンと開かないような状態で抱っこしてあげることが、何よりも大切です。
抱っこの時
理想は、赤ちゃんの顔がママ・パパの胸のあたりにくる「コアラ抱っこ」。お尻が膝よりもしっかり下がったM字開脚になり、背中が自然に丸くなる姿勢です。
目安は「赤ちゃんのおでこにいつでもキスできる高さ」と覚えてください。この高さを意識すると、自然と赤ちゃんの顎が引きやすくなります。
おんぶの時
特に注意したいのが、おんぶの時です。家事をしながらおんぶをしていると、いつの間にか赤ちゃんの頭が後ろにカクンと倒れ、お口がポカンと開いて完全に口呼吸に…なんてことはありませんか?
そうならないために、エルゴなどの抱っこ紐についている頭を支えるカバー(スリーピングフードやヘッドサポート)をしっかり活用しましょう。これを正しく使って赤ちゃんの頭を優しく支えてあげることで、顎が上がりすぎるのを防ぐことができます。
ベビーカーやチャイルドシートでも
この「顎を引く」という意識は、ベビーカーやチャイルドシートでも同じです。リクライニングを倒しすぎると顎が上がりやすくなるので、角度を調整したり、首と背もたれの間に丸めたタオルを挟んだりして、首が後ろに倒れすぎないように工夫してあげてください。
《歯科衛生士ママからのワンポイントアドバイス》
私も三男の寝かしつけで抱っこ紐をよく使いましたが、つい自分の家事のしやすさを優先してしまいがちでした。でも、ふと息子の口が開いているのに気づいてハッとしたことがあります。少しの工夫と意識で姿勢は変えられます。完璧でなくても大丈夫ですよ。
毎日の「ちょっとした意識」が未来をつくる

毎日の抱っこは、赤ちゃんとのかけがえのないスキンシップの時間です。その大切な時間で愛情を伝えるのと同時に、将来のお口の健康の土台も作ってあげましょう。
難しく考えすぎず、まずは今日の抱っこから、「うちの子の顎、上がってないかな?」とチェックする習慣をつけてみてください。その小さな意識の積み重ねが、赤ちゃんの健やかな未来を守ることに繋がります。
抱っこの仕方一つでも、専門的な視点で見るとたくさんの発見があります。当院の「口育士(こういくし)」は、そういった日常の習慣に関するアドバイスも得意としています。ぜひお気軽にご相談ください。
妊娠中のお母さんのためのマタニティ歯科診療や、船橋市の妊婦歯科健康診査にも対応しておりますので、プレママ期からのご相談も大歓迎です。
子育て中のスタッフが、ママ・パパ目線で親身になってお話を伺います。
※この内容はこれまでの現場経験による当院の見解です。確かな効果を保証するものではありません。
また、当院の許可なく情報を無断転載することは禁止いたします。

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こうの歯科|チーフ歯科衛生士・口育士・ホワイトニングコーディネーター
3人の男の子 育児奮闘中のママ歯科衛生士。忙しい毎日でも続けやすい予防ケアを大切にしながら、患者さんと二人三脚でお口の健康維持をサポートしています。
